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7章 DB作成
本章はRACデータベースの作成を行っていきます。

RACを構築するには以下の順で実施してきます。

・Grid Infrastruncture(GI)インストール
・Oracleインストール
・ASMディスクグループの作成
・データベース作成 ←今回はここ

いよいよRACデータベースを作成していきます。


RACデータベースの作成


シングルDBとRACを比較したデータベースの特徴は以下のとおりでした。

・初期化パラメータ(SPFILE)は全インスタンスで共有
・表領域(UNDO以外のデータファイル)は全インスタンスで共有
・制御ファイルは全インスタンスで共有
・UNDO表領域は各インスタンスごとに存在
・REDOログファイルは各インスタンスごとに存在

ASM(自動ストレージ管理)

前回作成したDATA ASMディスクグループ内に上記データベースファイルを作成していきます。
DB作成はSQLかDBCAがありますが、今回はDBCAを使用していきます。


DBCAでのDB作成


DB作成はSQLかDBCAがありますが、今回はDBCAを使用していきます。
基本的にデータベースの作成はシングルDBと同じなのでポイントの部分だけを
確認していきたいと思います。

RAC DBCA


最初の画面は「データベースの作成」を選択します。


RAC DBCA

次の画面は作成するDBのタイプの選択画面です。DBタイプはRACデータベースを選択します。
構成タイプは管理者管理(管理されたADmin)を選択します。

ここでは管理者管理、ポリシー管理のいずれかを選択できます。
管理者管理のデータベースはRACインスタンスの起動停止の管理は手動で行いますが、
ポリシー管理の場合、必要インスタンス数などの設定を行い、
自動的に起動するインスタンスを制御する管理方法となります。

RAC DBCA

次の画面はDBインスタンスを構成するサーバを選択します。
こちらもRAC特有の選択画面です。
RAC DBCA

次の画面はデータベース名とSID(インスタンス名)を指定します。
SIDはデータベース名は複数ノードで同じですが、SIDは各ノードで一意な名前となります。

例えばorclと指定した場合、DBCAではノード1はorcl1というインスタンス名、
ノード2はorcl2という名前でインスタンスを構成します。
※今回の画面ではorcl01となっているので、orcl011のようなインスタンス名となります。

SQLからのデータベース作成ではこのインスタンス名は柔軟に付けることができます。

RAC DBCA

次にデータベース記憶域オプションの選択です。
こちらは「データベース記憶域属性に次を使用」を選択します。

記憶域タイプはASM、使用するASMディスクグループはDATAを選択します。
ASMディスクグループを使用する場合は、+(プラス)を先頭につける必要があります。

RAC DBCA

次に高速リカバリ領域の設定、アーカイブログ有効の画面となります。
ここはシングルDBでも同じですね。

RAC DBCA

次はデータベースオプションです。使用するコンポーネントにチェックを入れます。
ここもシングルDBと同じですね。

RAC DBCA

構成オプションはメモリやデータベースのキャラクタセットを指定できる画面です。
ここもシングルDBと同じですね。

RAC DBCA

次の管理オプションはEnterprise Managerを使用するかどうか、
クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を定期的に実行するかの選択です。
ここもシングルDBと同じですね。

RAC DBCA

次はパスワード設定画面です。シングルDBと同じですね。

RAC DBCA

データベース作成オプションの画面はデータベースを作成するのか、
今まで設定した構成をDBスクリプトファイル(SQL文)として保存したいのかを選択します。
RAC DBCA

次に前提条件チェックが実行されます。
RAC DBCA

最後にサマリが表示されデータベースの作成となります。

あとは作成されるのを待つだけです。
現場ではDBCAよりもDBスクリプトを使用する機会のほうが多いかもしれません。

DBCAでDBスクリプトを作成することも可能なので、設定を入れて作成してみてください。
実際にDBスクリプトを確認すると、どのようなことを実行する必要があるのか
分かりやすいので見てみるのもよいと思います。

RAC特有のパラメータ


参考程度ですがシングルDBにはないRACパラメータ特有のパラメータとしては
以下のようなものがあります。


   cluster_database=true

上記パラメータはそのままの意味のパラメータですが、
RAC構成である場合はTRUEにする必要があります。


   orcl01.instance_number=1
   orcl02.instance_number=2

上記パラメータは各インスタンスを識別するIDです。
各インスタンスごとに一意な値を指定する必要があります。

また初期化パラメータファイルは各インスタンスで共有されている為、
各インスタンスごとにパラメータを変更する場合、
上記のように「インスタンス名.パラメータ名=値」と指定します。

上記はorcl01のinstance_numberパラメータが1に設定されていると言うことが分かります。
先頭にインスタンス名の記載がない場合は、全インスタンスで共通のパラメータとなります。

   orcl01.thread=1
   orcl02.thread=2

上記パラメータもRAC特有のパラメータです。
threadはREDOログを各インスタンスに紐付ける一意な識別IDのようなものです。
各インスタンスごとにREDOが必要である為、それを識別する為に設定します。



   orcl01.undo_tablespace=UNDOTBS1
   orcl02.undo_tablespace=UNDOTBS2

上記パラメータはRAC固有ではありませんが、各インスタンスごとにUNDO表領域が必要である為、
それぞれのインスタンスで設定する必要があります。


本章は以上となります。お疲れ様でした。